中国人による 中国人大批判を読んでvol.2
以前に紹介した、中国人による 中国人大批判と言う本を
読み終わったので、紹介しておきます。
中国と日本の関係について、書かれていますが、知らなかった
部分も多く、とても考えさせられます。
今回は「反日感情」について書きます。
「中国人による 中国人大批判」
金 文学著
祥伝社黄金文庫
630円
*本書より抜粋、ここから------
2003年9月18日、日本人の「集団売春」に対して中国のインターネット上で起こった猛烈な反感の爆発は、実に歪んでひねくれた対日観の発露でした。
中国の代表的大手インターネットサイト「人民网(もう)」にトップニュースとして現れるやいなや、サイトは書き込みでいっぱいになりました。
いわく、「数千人の中国男性を組織して、日本に入って日本の娼婦を犯そう!」。いわく、「日本鬼子」が入侵した!われわれも反撃せよ!」というものまで、日本を糾弾する愛国者たちの暴走は。とどまるところを知らぬというありさまでした。
「9月18日」は満州事変の日として、中国では日本鬼子に支配された「国恥日」として記憶されてきました。よりによってこの国恥日に日本人の売春が報じられたので、これは「日本鬼子」による第二の国恥行為だとして、ただちに政治的な動きと結びついてしまったのです。
外国人のごくありふれた売春を、政治に結びつけるのも奇怪千万な話ですが、中国外務省の発表した「中国人民の感情を傷つけた」との論評も、輪をかけてナンセンスなものです。
------ここまで
多少、耳の痛い話ではあります。
最近でも某有名企業の社員達(噂では40人以上)が、ホテルへ女性を連れ込んで売春したとして一斉に逮捕される事件もありました。世界的に有名な企業の為、日本領事館から中国政府に企業名を出さないで欲しいとの依頼があった位です。
ちょっと横道にそれましたが、著者が書いている通りに、これはあまりにもナンセンスな問題だと思いました。売春と言う行為は何も日本人特有の問題ではなく、当然ですが諸外国人、中国人でも行っている訳です。もちろん犯罪行為ですから、糾弾されるのは致し方ないと思いますが、それを政府が主導すると言うのは、ばかげていると感じます。
また、本書の中で「中国の娼婦やセックス産業がもたらす収入は中国GNPのほぼ1/5をしめると予想される」と書かれています。つまり、本来は売春産業が盛んな現状、そこに至った実状を解決する事こそが、論じられるべきであるはずなのに、それを隠す為に国自体が騒ぎを大きくしている感はあります。
単純に、日本人が売春したから大騒ぎになっている訳です。では何故、こんなにも反日が進んでしまったのか?それについては・・・・・
以前に紹介した、中国人による 中国人大批判と言う本を
読み終わったので、紹介しておきます。
中国と日本の関係について、書かれていますが、知らなかった
部分も多く、とても考えさせられます。
今回は「反日感情」について書きます。
「中国人による 中国人大批判」
金 文学著
祥伝社黄金文庫
630円
*本書より抜粋、ここから------
2003年9月18日、日本人の「集団売春」に対して中国のインターネット上で起こった猛烈な反感の爆発は、実に歪んでひねくれた対日観の発露でした。
中国の代表的大手インターネットサイト「人民网(もう)」にトップニュースとして現れるやいなや、サイトは書き込みでいっぱいになりました。
いわく、「数千人の中国男性を組織して、日本に入って日本の娼婦を犯そう!」。いわく、「日本鬼子」が入侵した!われわれも反撃せよ!」というものまで、日本を糾弾する愛国者たちの暴走は。とどまるところを知らぬというありさまでした。
「9月18日」は満州事変の日として、中国では日本鬼子に支配された「国恥日」として記憶されてきました。よりによってこの国恥日に日本人の売春が報じられたので、これは「日本鬼子」による第二の国恥行為だとして、ただちに政治的な動きと結びついてしまったのです。
外国人のごくありふれた売春を、政治に結びつけるのも奇怪千万な話ですが、中国外務省の発表した「中国人民の感情を傷つけた」との論評も、輪をかけてナンセンスなものです。
------ここまで
多少、耳の痛い話ではあります。
最近でも某有名企業の社員達(噂では40人以上)が、ホテルへ女性を連れ込んで売春したとして一斉に逮捕される事件もありました。世界的に有名な企業の為、日本領事館から中国政府に企業名を出さないで欲しいとの依頼があった位です。
ちょっと横道にそれましたが、著者が書いている通りに、これはあまりにもナンセンスな問題だと思いました。売春と言う行為は何も日本人特有の問題ではなく、当然ですが諸外国人、中国人でも行っている訳です。もちろん犯罪行為ですから、糾弾されるのは致し方ないと思いますが、それを政府が主導すると言うのは、ばかげていると感じます。
また、本書の中で「中国の娼婦やセックス産業がもたらす収入は中国GNPのほぼ1/5をしめると予想される」と書かれています。つまり、本来は売春産業が盛んな現状、そこに至った実状を解決する事こそが、論じられるべきであるはずなのに、それを隠す為に国自体が騒ぎを大きくしている感はあります。
単純に、日本人が売春したから大騒ぎになっている訳です。では何故、こんなにも反日が進んでしまったのか?それについては・・・・・
この本を読むまでは、一般的な知識として、中国の教育には反日的な要素が盛り込まれていると思っていました。事実、そうらしいのですが、それにも色々な経緯があるようです。
*本書より抜粋、ここから------
「日本鬼子」という呼び名が象徴するように、中国人はなぜ、それほどまでに日本、日本人をすべて「悪」と決めつけ、反日、憎日に暴走するのでしょうか。中国=善、日本=悪という奇怪なる構図は、いったいどこに由来するのでしょうか。
「憎日中国」の深層を探るためのもっとも有効な方法は、毛沢東・鄧小平時代と江沢民・胡錦涛時代を比較することです。一言で言えば、前者は親日的で柔らかい対日観に支えられていたのに対して、後者のほうは反日・憎日的で強硬な対日姿勢であるという鮮明な対象があります。
つまり、中国政府と執政者の対日政策によって、親日・反日の境界がはっきり分かれるのです。新中国設立後、毛沢東の中国政府は親日で穏やかな対日姿勢でした。だから振り返ってみても毛沢東時代は反日プロバガンダも少なく、「南京大虐殺」もなかったし、抗日キャンペーンも見られませんでした。
教科書や文学作品の中には、抗日素材が盛んに取り上げられていたものの、主なポイントは共産党の抗日と国民党政府の非抗日を対比して国民党を批判するものであって、日本を「悪」と絶対視する目的はなかったのです。毛沢東の敵は、台湾の蒋介石や「米帝ソ修」と、国内の階級闘争の敵であって、日本は敵対するターゲットには、ほど遠いものでした。
鄧小平時代も四つの近代化建設のため、日本が最大の近代化モデルであり、日本はよき学習と合作のパートナーでこそあれ、悪ではなかったのです。
しかし、毛・鄧後の90年代から、江沢民政府となって、対日姿勢は豹変します。それには隠された秘密があります。中共政権の腐敗や失敗、山積した国内の矛盾に対する国民の不平、不満を外に誘導するという目的から、「反日憎日」がもっとも有力、有効な利用手段として浮上したのです。
------ここまで
早い話が、とばっちりですね。国の方針として教え込まれた物を覆すのは容易な事ではないでしょう。ですから、日本が中国で何かすると敏感にそして、自分たちに悪い影響を与えると言う印象で受け止めているのではないかと感じます。
それと、反日のデモ行進などを見ていると感じるのは、比較的、若い世代から中年位までの人が多いと言う印象を受けました。それもこの、執政者の違いで説明がつく様に思えます。著者は反日感情の少ない時期に学生生活を過ごし、日本へ留学したと書かれていました。そして最近、留学生の質が低下しているとも書いています。それはやはり教育の影響が大きいのではないかと思います。実際に騒いでいる人たちは、日本へ来た事が無い、日本を知らない人たちなのだと思います。
少し話がそれますが、中国人は簡単に外国へ行く事が出来ません。何かの時に書いた記憶もありますが、こちらに来て聞かれた事で、「日本人はいくら位のお金を預けて海外へ行くのですか?」と言う質問を良く受けます。最初は意味が分からなかったのですが、中国人は海外へ行く場合、社会人であれば会社の保証書(在籍証明)、一般人であれば保証金を預ける必要があるそうです。これにはかなり違和感を感じましたが、実際、その位の事をしないと海外に行って、そのまま戻って来ない人が後を絶たないらしいです。
何を言いたいかと言うと、一つの国・民族を嫌悪する、その際には必ずと言って良いほど、無知と偏見が存在します。つまり、相手を知らないから悪く言う、相手の一側面だけで判断すると言った事が、積もり積もっている訳です。日本を理解するのに日本へ行く事ほど、簡単で分かり易い事は無いのですが、それが出来ないと言う現実も併せ持っています。
最も単純で、最も難しい事ですが、こじれた問題を解決するのは相互理解以外にありえないと感じます。
*言葉
・満州事変:1931年(昭和6年)9月18日、奉天(現在の瀋陽)郊外の柳条湖で満鉄線路の爆破事件を契機として始まった日本軍の中国東北への侵略戦争。若槻内閣は不拡大方針をとったが、関東軍は東北三省を占領。翌年、「満州国」を樹立し以後、15年に及ぶ日中戦争の発端となった。
・日本鬼子:日本人は人間ではなく野蛮な「鬼」であると言う意味の侮蔑表現。
*本書より抜粋、ここから------
「日本鬼子」という呼び名が象徴するように、中国人はなぜ、それほどまでに日本、日本人をすべて「悪」と決めつけ、反日、憎日に暴走するのでしょうか。中国=善、日本=悪という奇怪なる構図は、いったいどこに由来するのでしょうか。
「憎日中国」の深層を探るためのもっとも有効な方法は、毛沢東・鄧小平時代と江沢民・胡錦涛時代を比較することです。一言で言えば、前者は親日的で柔らかい対日観に支えられていたのに対して、後者のほうは反日・憎日的で強硬な対日姿勢であるという鮮明な対象があります。
つまり、中国政府と執政者の対日政策によって、親日・反日の境界がはっきり分かれるのです。新中国設立後、毛沢東の中国政府は親日で穏やかな対日姿勢でした。だから振り返ってみても毛沢東時代は反日プロバガンダも少なく、「南京大虐殺」もなかったし、抗日キャンペーンも見られませんでした。
教科書や文学作品の中には、抗日素材が盛んに取り上げられていたものの、主なポイントは共産党の抗日と国民党政府の非抗日を対比して国民党を批判するものであって、日本を「悪」と絶対視する目的はなかったのです。毛沢東の敵は、台湾の蒋介石や「米帝ソ修」と、国内の階級闘争の敵であって、日本は敵対するターゲットには、ほど遠いものでした。
鄧小平時代も四つの近代化建設のため、日本が最大の近代化モデルであり、日本はよき学習と合作のパートナーでこそあれ、悪ではなかったのです。
しかし、毛・鄧後の90年代から、江沢民政府となって、対日姿勢は豹変します。それには隠された秘密があります。中共政権の腐敗や失敗、山積した国内の矛盾に対する国民の不平、不満を外に誘導するという目的から、「反日憎日」がもっとも有力、有効な利用手段として浮上したのです。
------ここまで
早い話が、とばっちりですね。国の方針として教え込まれた物を覆すのは容易な事ではないでしょう。ですから、日本が中国で何かすると敏感にそして、自分たちに悪い影響を与えると言う印象で受け止めているのではないかと感じます。
それと、反日のデモ行進などを見ていると感じるのは、比較的、若い世代から中年位までの人が多いと言う印象を受けました。それもこの、執政者の違いで説明がつく様に思えます。著者は反日感情の少ない時期に学生生活を過ごし、日本へ留学したと書かれていました。そして最近、留学生の質が低下しているとも書いています。それはやはり教育の影響が大きいのではないかと思います。実際に騒いでいる人たちは、日本へ来た事が無い、日本を知らない人たちなのだと思います。
少し話がそれますが、中国人は簡単に外国へ行く事が出来ません。何かの時に書いた記憶もありますが、こちらに来て聞かれた事で、「日本人はいくら位のお金を預けて海外へ行くのですか?」と言う質問を良く受けます。最初は意味が分からなかったのですが、中国人は海外へ行く場合、社会人であれば会社の保証書(在籍証明)、一般人であれば保証金を預ける必要があるそうです。これにはかなり違和感を感じましたが、実際、その位の事をしないと海外に行って、そのまま戻って来ない人が後を絶たないらしいです。
何を言いたいかと言うと、一つの国・民族を嫌悪する、その際には必ずと言って良いほど、無知と偏見が存在します。つまり、相手を知らないから悪く言う、相手の一側面だけで判断すると言った事が、積もり積もっている訳です。日本を理解するのに日本へ行く事ほど、簡単で分かり易い事は無いのですが、それが出来ないと言う現実も併せ持っています。
最も単純で、最も難しい事ですが、こじれた問題を解決するのは相互理解以外にありえないと感じます。
*言葉
・満州事変:1931年(昭和6年)9月18日、奉天(現在の瀋陽)郊外の柳条湖で満鉄線路の爆破事件を契機として始まった日本軍の中国東北への侵略戦争。若槻内閣は不拡大方針をとったが、関東軍は東北三省を占領。翌年、「満州国」を樹立し以後、15年に及ぶ日中戦争の発端となった。
・日本鬼子:日本人は人間ではなく野蛮な「鬼」であると言う意味の侮蔑表現。